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新宿区立漱石山房記念館へ行って来ました

コンビニや住宅が立ち並ぶ、早稲田南町のゆるやかな坂道を下っていくと、右手にトレードマークの芭蕉の木(私はずっとバナナの木だと思っていました。実際、英名を「ジャパニーズバナナ」と言うのだそうです)が見え、漱石山房は静かにたたずんでいました。

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漱石山房記念館は、漱石関係の資料の保管・収集と、漱石が晩年の9年間を過ごした居宅の一部を再現した記念館です。

漱石は、ここで「三四郎」「こころ」「道草」などを執筆したということです。
また、「木曜会」と呼ばれる文学サロンが開催され、そこに集う人たちは、鈴木三重吉、菊池寛、芥川龍之介などそうそうたるメンバーだったようです。

記念館の半分部分は、漱石が執筆した書斎部分を建物ごとまるごと再現しています。
今まで白黒写真で見ていたものが、色彩と質量を持って目の前に再現され、それがあまりに日常的な空気を発していると、文豪漱石との距離が少し縮まったような気がして、ちょっとほっとしました。
しかしながら、また逆に、この狭い空間で七転八倒して作品を生成していく人間漱石を想像すると、なんだか胸に迫るものがありました。

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赤い絨毯の上に文机と火鉢があり、洋書と糸綴じの和装の本がところ狭しと積み重ねられ、瓦葺の平屋建てだけど白い柵木のついたちょっとおしゃれなベランダがある・・・。

漱石は慶應3年、大政奉還の年に生まれました。激動の時代です。日本中が、西洋化しようと焦り、あがき、そして日本中が、東洋人の誇りと西洋人への劣等感のはざまで葛藤し続けた時代。
漱石山房の和洋取り混ざった調度品に、まさにそれを見た気がしました。

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記念館には、カフェや図書室があり、建物の周りは小さな公園になっており、猫塚があります。
旅の中休みにちょっと一息。漱石ファンならずとも、東京旅行の際は、ぜひお立ち寄りください。

図書館 I

by libfriends | 2018-09-21 09:00